繋いだ手から伝わる物は……
微熱
すっかり暗くなった空には星が浮かんでいる。
都会には星が少ないなんて言うけれど、全く見えないわけではない。
そんな空の下を牛尾と子津は並んで歩く。
かすかに触れ合う手と手から互いの熱が伝わってくる。そして気持ちが流れ込む。
いつもなら、それで終わり。
けれど今日はいつもと違った。
子津に伝わる牛尾の熱はいつもより高く、牛尾は小さく咳き込んだ。
「キャプ、大丈夫っすか」
咳き込んだ牛尾に子津は心配そうな顔をして問いかける。
「大丈夫だよ。大したことじゃないよ」
そんな事を言いながらも牛尾はもう一度咳き込んだ。
「ほら、また。それに手だっていつもより熱いっすよ。」
「ちょっとだけだよ、気にするほどじゃないさ」
「でも、出来るだけ体は大事にして下さいっす」
「あぁ、子津君も気をつけるんだよ。あんまり僕に近づかないようにした方が良いかも知れないね。君に風邪をうつしたら大変だから」 距離を取って歩こうとする牛尾に子津は近づき手を握った。
「子津君、何を……」
「この方が暖かいかなって。それに僕でよければうつしてくださいっす。キャプが苦しいのを見てるより自分が苦しい方がずっと楽っすから」
ちょっと恥ずかしそうに微笑む子津を牛尾は急に抱きしめた。
「きゃ……キャプ?」
「だって君が暖めてくれるんだろう……?」
繋いだ手から伝わる熱はとても熱かった。
それがいつもよりも多く伝わる気持ちの熱のせいなのか牛尾の風邪のせいなのかはわからない。
繋いだ手の熱がどちらのものかなんて分からないのだから……
アトガキ
すっごく短いですね。
私が書いた中で一番短いのかも。
熱があっても私の書くキャプは変態くさいです
自分が熱出してへろへろになりながら浮かんできた話だったりします。
熱出してまでこんな事考えてるなんてどうなんでしょうね。
それではここまで読んでくださった方々ありがとうございました。 最後にこの話は時田実嬢に捧げます。
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